なんでシンガポールに行ったの?

曽祖父 中野光三 Kozo Nakano, 1869-1923. Great-grandfather.

中野光三記念碑 (シンガポール日本人墓地)
The Memorial Monument of Dr. K. Nakano
The Japanese Cemetery Park, Singapore.

Why did you go to Singapore?

平成21年11月、私からすると曽祖父にあたる、
医師・中野 光三(なかの こうぞう、1869~1923)のお墓参りに行きました。
シンガポール日本人墓地公園には、曾祖父・光三の記念碑が建っております。

光三は明治2年(1869年)に現在の福岡県久留米市田主丸町の庄屋の末男として生まれ、
現在の長崎大学医学部に当たる第五高等中学医学部を卒業後、
明治27年(1894年)2月、外科学と眼科学でドイツに留学する機会を得ます。

その渡航の旅程で、当時イギリスの植民地であったシンガポールに寄港しましたが、
そこで、その地に住む日本人たちと遭遇します。
当時のシンガポールに在住した日本人の多くは、「からゆきさん」と呼ばれる売春婦たちでした。
健康なうちは良くても、病に倒れると、誰も診療する者はいませんでした。
当時の白人医師たちは白人しか診察しなかったので、病にたおれた彼女たちは
劣悪な環境で死を待つしかなかったのです。
自分と同じ日本人が医療的な惨状の渦中にあることを目の当たりにした光三は、
留学をあきらめ、祖国から遠く離れた、この南洋の地での医療に一生を奉げることを誓いました。
その後彼は病院を建て、人種の分け隔てない全人的医療を実践しました。

今回の旅行の目的には、私が無事医師になったことの報告とともに、
当時の曽祖父についての史料収集という一面もありました。
シンガポール国立図書館では、当時の英字新聞に“Dr. K. Nakano”が
(おそらく新病院のための)土地を探している広告を出したり、
病気や事故で彼の病院に患者が運ばれたという記事が何件も見つかるなど、
滞在中にそれなりの功績が得られました。
今後ももっと曽祖父のことを知りたいと思っております。

On November 2009, i visited my great-grandfather’s grave in The Japanese Cemetery Park in Singapore.
My great-grandfather: Dr. Kozo Nakano (1869-1923) was born in Kurume, Japan.
Kozo graduated Medical Faculty of Daigo High School (Nagasaki University at present) in 1894,
and he was decided to go Germany to study surgery and ophthalmology.
In the voyage, he dropped in at Singapore, and he met Japanese people in the place.
Most Japanese women in Singapore were prostitutes called “Karayuki-san”.
At that time, those who became ill had no choice but waiting to die
because all doctors were Caucasian who treated only Caucasian patients.
After encountering the terrible madical situation of same human race,
Kozo decided to refuse going to study,
and decided to devote his life to medical treatment in south island far away from his own country.
He built a hospital and executed madical care to all human race without discrimination.

 

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