起床音楽12月8日1119曲目

John Lennon & The Plastic Ono Band “Imagine”

お誕生日にちなんで曲を決めることが多い起床音楽が、1年に1度だけ命日にこだわって音楽を流す日。今年もやってきました。音楽の歴史を紡いだと言えるほどの偉大なる功績を残した音楽家、ジョン・レノン。1980年の12月8日に凶弾に倒れ、40歳でこの世を去ってから、今日でちょうど40年が経ちました。今日は追悼の想いをこめて、もっとも有名で世界中で愛される曲、「イマジン」を流します。

実は言いづらくはあるのですが、ちょうど1か月前、「第3波」の渦中に至る前の11月中旬に東京に行く機会があり、「ダブルファンタジー」というジョンと奥様のオノ・ヨーコさんの展覧会を観に行きました。(もちろん感染防御には最大限の注意を払い、それから2週間たった後も発熱などの兆候はございません。)お二人の生い立ちと出会い、ビートルズの解散から、バギズム、アルコールやドラックの依存、復帰、そして突然の別れ、それぞれが本物の品々とともに分かりやすく展示されておりました。(特にあの「YES!」の脚立と虫眼鏡(レプリカでなく実物!)にはかなり興奮しました!)「イマジン」についても、ホテルで書いたという最初の歌詞のメモなど、詳細が展示されていました。その作詞にはヨーコさんの著書の影響を明らかに受けており、つい最近作詞者として彼女との共作であることが認められたそうです。

ジョンが亡くなったとき、ヨーコさんは葬式を執り行わないことを決めましたが、当時のお住いの「ダコタハウス」の周辺に集まって夜通しジョンの歌を歌い続けるファンを諫めるため、12月14日に10分間の黙祷を捧げることを全世界に依頼しました。その時刻には、殺害現場の「セントラルパーク」に20数万人が集まり、ニューヨークのすべてのラジオ局が放送を中止、世界中で数百万人の人が黙祷を捧げたそうです。実は私の父もその一人でした。私が生まれたのは1982年ですが、その後私がビートルズを聴くようになって父に当時のことを聴かされました。あの時は一国の大統領が亡くなるよりもはるかに、世界中の人たちが悲しみに暮れたのだと。

父の記憶は私にも強くインプットされたのでしょう。現役の起床音楽係であった1998年12月8日、歴代の起床音楽係が「開戦記念日」として旧日本軍の軍歌を流すことが多かったその日に、私はビートルズのジョンが作詞し歌った曲をミニディスクで切り貼りして、オムニパス形式にして放送しました。当時は「殺害」という言葉より「暗殺」という言葉がよく使われており、寮のホワイトボードにも「ジョンレノンが暗殺された日」と記載したような記憶があります。

このブログの起床音楽でも、12月8日は毎年ジョン・レノンの曲を流してまいりました。2017年「Stating Over」、2018年は「Woman」を流しました。そして昨年は「Jealous Guy」、特に昨年は中村哲先生の訃報とほぼ重なり、強い憤りと悲しみを覚えました。

1941年「12月8日」、太平洋戦争の火ぶたを切ってしまったその日付は、日本側からしてみれば確かにそうです。しかし、日付変更線をまたいで真珠湾を奇襲し、戦艦アリゾナの乗組員を中心に多くの人々が戦死し、国中に「リメンバー・パールハーバー」の憎しみを生んだその日は、米国にとっては「12月7日」なのです。これはパールハーバーを実際に訪れたからこそ理解できたことです。ハワイの人々にとってその日は追悼の日なのです。私はもちろん祖国日本を愛しております。しかし同時に、我々日本は絶対にこの戦争の「開戦」を「記念日」にして美化してはなりません。そのように考えます。

ジョン・レノンがこの曲で歌う通り、たとえ夢見がちと言われようとも、人種・宗教・所有欲、人々があらゆる違いを尊重して認め合い、人が人を殺戮することのない平和な世界が訪れることを祈念します。

https://doublefantasy.co.jp/
イマジン (ジョン・レノンの曲) - Wikipedia
ジョン・レノン - Wikipedia
ジョン・レノンの殺害 - Wikipedia
真珠湾攻撃 - Wikipedia
Pearl Harbor National Memorial (U.S. National Park Service)
At Pearl Harbor National Memorial, we honor the lives affected by the December 7, 1941, attack. This pivotal moment in g...

(2024年12月8日追記)デッドリンクを削除し少し改変いたしました。

パールハーバーの戦艦アリゾナの追悼施設に伺う前に観る映画です。本当に驚くほど中立的に当時の日米の対立と戦況が描かれており、号泣しました。

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