起床音楽10月2日

浜崎あゆみ “Trust”

なんと昨日を上回る、大変長い話になります。

昨日テレビで、芸人の「みやぞん」が「エイベックス」という芸能事務所に伺う番組を見ました。東京・青山の一等地に立つ大きな自社ビルです。1990年代に、浜崎あゆみ、小室ファミリー、ELTなどたくさんのプラチナレコードを輩出して間違いなく日本最強となったレコード会社は、現在グラビアや俳優などを含めた多角的な芸能事務所となって邁進を続けているそうです。

今となっては誰も信じてくれないのですが、私はそんな「avex」という企業に単身で電話連絡をとり、学園祭のために資料を送っていただいたことがあるのです。

まさに現役の起床音楽係であった1998年、高校の学園祭で「郷土展」を担当することとなりました。沖縄や本州を含め日本のあらゆる場所から学生が集まっていた学校でしたので、学園祭で各地の出身者が郷土の紹介コーナーを企画するのは自然なことでした。今もやっているのかな? 私は起床音楽係として、地元福岡県出身の歌手を紹介することとなりました。そこで、チャゲアンドアスカ、チェッカーズといった有名どころに加えて、浜崎あゆみを紹介することを計画しました。

私はデビュー曲の「poker face」から知っていました。よく聴いていた「オールナイトニッポン」でパワープレイになっており、起床音楽としても流していたのです。3枚目のシングルがこの「Trust」という曲、学園祭があった時の最新曲です。なかなかの歌謡曲調ですが、それなりのセールスを得ていました。私は、この方が近い未来に「Dearest」、「Voyage」などといった伝説的セールスを産み出して日本のトップアイコンになってゆくとは想像に及びませんでして、その時は純粋に浜崎あゆみさんのことをもっとみんなに知ってほしいと思いました。

当時はインターネットの創成期。夏休みに博多の実家で「Windows 98」を起動し、ヤフージャパンで「浜崎あゆみ」を検索すると、なぜだか水着グラビアなどの画像がたくさん出てきました。エイベックスに移籍する前の浜崎さんは別の芸能会社でなかなか芽を出せず、今では考えられないようなタレント活動をしていたのです。インターネットでは、「歌手・浜崎あゆみ」に関する情報が手に入らない!(ファンクラブ「Team Ayu」は1999年8月にウェブ限定で開設されたので、それより前の話です。)

そこで、私は意を決してエイベックス本社に電話を入れてみました! 学園祭に郷土展というものがありそこでぜひ浜崎あゆみさんのことを紹介したい、必要なのは本来レコード屋さんにあるようなポスターと、現時点で公開していただけるライブやリリースといった情報です、、、対応されたのは女性の方だったと思いますが、折り返しの電話で「企画書をファクシミリで送ってください」とのことでした。早速「企画書」をルーズリーフ2枚くらいに手書きでしたため、寮からFAXで送信しました。数日後に要望に対する快諾の連絡をいただき、手放しで喜んだのですが、その後が地獄でした。

まず、その資料がいつまでたっても届かない! 学園祭の前日になっても届かずに狼狽しているところに、泣きっ面の蜂、私がA2くらいにして引き延ばしカラーコピーしたご本人の「水着グラビア」が先生たちの検閲でボツになってしまいましたorz 責任者の同級生が「今からでも模造紙に何か書いて空いてしまったところを埋めろ!」というので、絶望のどん底に突き落とされました。結局そんな埋め合わせが出来る訳もなく、貧相な展示に泣きながら学園祭の日を迎えました。

その日の朝は高校創立以来初めての男女混声合唱が企画され、その一員として「輪になっておどろう」と「大地讃頌」を歌いました。そうして何とか悲しみをかき消しているところに寮監の先生から連絡がきました。「東京から君に荷物が届いている! 不審だから中身を確認させろ!」とのことでした、、、! 寮監とともに中身を確認すると、そこには「Trust」のポスターに加え、新曲「For My Dear」のリリース情報やライブ情報がプリントで入っていました! なにひとつ不審なものはありません! 慌てて「郷土展」の会場にそのポスターを張りに行き、さみしい掲示を少し埋め合わせることが出来ました。「胸をなでおろす」とはまさにこういうことかと思いました。しかし、今の私からしたら大変失礼なことなのですが、「掲示はやはり不満足だなあ」などといったネガティブな感情ばかりが沸いていました。

あまりにも感情の揺れが大きく、余裕を失ってばかりいた16歳当時の私は、「送ってくれた担当者にお礼の電話を入れる」とか、「せっかくのお誘いなのでライブに行く」とか、そういう善意のきずなを大切にする行動ができない人間でした。もちろん今も「Trust」のポスターは宝物で博多の実家に眠っています。しかし、あの頃にせっかくいただいた善意に対して、もう少し礼儀を尽くす行動がとれていれば、もしかすると、あの偉大なる「エイベックス」のスタッフの方々と、現在まで続くような関係を得られていたかもしれません。本当にもったいないことをしました。実家で眠る「宝物」は現在も私にとって戒めの象徴であり続けています。

さて、そんな浜崎あゆみさんが、今日40回目の誕生日であったのは本当に、本当に偶然です! 何を言っても言い訳かもしれませんが、今日この曲を選んだきっかけは「みやぞん」の「深イイ話」ですからね! 最後までお読みくださり、誠にありがとうございます。

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