Mr.Children “Everything (It’s you)”
非常に思い入れのある曲です。本来なら10000曲記念とか、自分の結婚20周年とか、そのような時の記念にすべきとも考えていた曲を、今日はなむけの曲としてお贈りしたい、そのような方がいらっしゃるのです。
私の妻は和太鼓の奏者でありますが、妻と同じ演奏団体に所属する親友の男性が、本日結婚式・披露宴を執り行います。光栄なことに夫の私までご招待をいただきました。通常土曜は全日勤務ですが、学会などの出張以外でめずらしく休みをとって参加いたします。彼は4年ほど前に私たちの披露宴で新婦の友人代表として挨拶をしてくれた方でもあります。
彼は妻と20年以上、つまり私よりもずっと長い時間を共にして、一緒に演奏を続けてこられました。私には想像できないほどのたくさんの苦楽を共有してきたに違いありません。彼に対しては敬意と感謝の思いしかないのです。
この曲は1997年2月、私が高校1年のときにリリースされた曲で、当然現役の起床音楽係だった時も流したと思います。自分が歌詞に受けた衝撃はミスチルの他のどんな曲よりも跳びぬけていて、当時から「自分がプロポーズするときはこの歌を恋人に歌うんだ」と思っていました。実際にプロポーズや披露宴などで歌うタイミングを得ることはありませんでした。しかし、ありきたりな言い方ですが、今でも私にとって「大切な歌」であることに変わりはありません。
あまりしないことですが、歌詞を紹介したいと思います。私が強く印象を持つのは「2番のAメロ」です。
「夢追い人は旅路の果てで 一体何を手にするのだろ
嘘や矛盾を両手に抱え 「それも人だよ」と悟れるの?
愛すべき人よ君に会いたい 例えばこれが恋とは違くても」
そう、「違くても」っていう言い方は九州の人にはあまりなじみないですね、いやそうではなくて、
当時日本のポップスターの座を不動のものにしつつあったヴォーカル桜井和寿さんの歌詞にしては、無常観というか、諦念ともとれるような切ない言葉が続き、そして「愛する人」への依存も見え隠れします。この一部の歌詞だけではありません、この歌の凄さは、ありのままの自分がさらけ出されすぎている求婚の歌なのです。文字通り「イケてない」高校生だった私はこれに強く共感しましたし、私のような人間でも一生を共にしてくれる女性がいつか現れるかもしれない、そんな希望さえ与えてもらいました。もしかしてこの曲はもともと、本当に桜井さんご自身のプロポーズソングだったのではないか? 状況が状況でなければ公にリリースされることはなかった曲だったのではないか、、、私は今でも本気でそう思っています。
邦楽洋楽関係なく、高校生のころ聴いた曲を今聴きなおしてみて歌詞がようやく理解できたり、高校のころと印象が明らかに違っているものもあったりしますが、この曲については不思議と昔も今も受け取る感覚が変わりません。ミスチルはよくカラオケで歌うのですが、今もこの曲の2番は涙なしには歌えません。
今日は彼の前途を祝し、とっておきのこの曲を捧げます。新郎新婦の末長いご健勝とご多幸を祈念申し上げます。