グループ魂 “チャーのフェンダー”
劇作家・俳優のコンセプトバンドとして紅白歌合戦出場のご経験もある「グループ魂」、そのメンバー「バイト君」扮する村杉蝉之介さんが「麻薬特例法」という法律の違反で逮捕されてしまいました。今一番心配なのは、魅力的な楽曲も多い「グループ魂」の楽曲が、レコード会社やプロデューサーの誤った判断によって、CD回収、サブスクリプション停止などといった具合に、「お蔵入り」にされてしまうことです。
日本では所持や使用の証拠が無くても取引をして薬物を受け取った事実があるだけで逮捕されてしまいます。そういう意味では日本は世界で最も「違法薬物」に厳しい国ですが、同時に規制薬物に対する政策が世界で一番遅れている国ともいうことが出来ます。世界のスタンダードは薬物の使用・所持を取り締まり刑罰を与えることではなく、薬物依存症として治療する方向に持ってゆくことです。それが規制薬物使用を減らすことが科学的に証明されているにもかかわらず、日本ではそれに逆行してさらなる厳罰化が議論されたりもしています。国内でも薬物依存に対する見方はかなり変わってきたと思いますが、法律が変わるにはまだ時間がかかりそうです。
では、法律に違反する「悪いこと」をしてしまった村杉さんは、その償いとして社会的責任をどうとれば良いのでしょうか? CD回収・サブスク停止で中古価格を爆上げすることでしょうか? 出演されていたドラマやCMの配信を停止したり、イベントを中止して賠償金を払うことでしょうか? 自粛するならどのくらいの期間ですか?ほとぼりが冷めるまでというなら、誰のほとぼりが冷めるまででしょうか?
今述べた3つの方法は、薬物依存症や違法薬物に手を出してしまった方の社会復帰を妨げる悪手でしかございません。私の考えはこうです。逮捕拘留期間は長くて2週間前後でしょうから、釈放後、予定されていたドラマやライブの出演を再開すればよいのです。拘留機関や司法手続きの日は都合をマネージメントすれば大丈夫です。これまでの活動を変わらず継続なさることが、最も「償い」と「社会的責任」を全うする方法ではないかと考えております。
これまでも槇原敬之さんや沢尻エリカさんなど、薬物関連で報道があるたびに、その報道の仕方は間違っている、薬物依存に対する誤った偏見であるということを発信してまいりました。よりによって今日私は医療関係の学校で講義をします。当然村杉さんのことを話したいと思います。
今日は名ギタリスト、「Char」さんと共演した楽曲、その名も「チャーのフェンダー」です。途中のコントとあわせて、ぜひお聴きください。