Lady Gaga “Born This Way”
あまりにも有名なレディーガガさんの代表曲であるとともに、日本ではリリースが東日本大震災とほとんど時を同じくしたこともあって、被災された多くの方々を勇気付けた曲としても有名です。その年(2011年)の紅白歌合戦にも登場されましたよね。
これだけ有名な曲ですが、MVをフルで観たことありますか? ないですよね。それなりに興味を持たれていないとなかなかチェックしないと思います。ぜひ一度曲が始まる前のシーンも含めてフルでご覧ください。私は初めて観た時は「えっ?」となりましたし、出産シーンが苦手だという方にとっては「閲覧注意」レベルかもしれません。もちろん、出産を表現したシーンは意味があってのものです。「新しい人類」(最初のミラーシンメトリのあたり)の誕生とともに、「悪魔」(ライフル撃ってるあたり)も誕生したという筋書きです。音楽が始まる直前の最後のセリフも強烈ですよ。「How can I protect something so perfect without evil?(私はその完璧な何かを守れるだろうか、悪に染まることなく)」、、、もはや「創世記」とかそういうレベルの新しい解釈なのでしょうか?
ちなみに、一緒に踊るダンサーの多くは性別適合手術を受けられた方々なのだそうですよ。ガイコツのタトゥーの入った男性「Zonbie Boy」さんの刺青は本物だったそうですが、残念ながら今年亡くなられたそうで、Youtubeでは「RIP」の文面が並んでいます。
歌詞はなかなか難解です。イントロに出てくる大文字の「HIM」を「キリスト」と訳して、伝説的な番組「スマップスマップ」が大炎上したそうです。この曲が人種や性別、そして宗教の多様性を賞賛する内容であることには間違いないのです、間違いないのですが、サビの歌詞が「I’m beautiful in my way ’Cause God makes no mistakes(私は私の道で美しい、だって神様は間違わないから)」とあるように、宗教の多様性を示すためのメッセージが、(イタリア系アメリカ人でたぶんカトリックの)レディーガガさんご自身の宗教を背景に描かれてしまっているんですよね。それが私たち日本人にとって歌詞の解釈をより難解にさせているのだと思います。
ある知り合いの先輩がヨーロッパの(母国語が英語でない)ある国に入国しようとしたとき、税関でリュックにぶら下がっていた「お守り袋」に難癖をつけられたそうです。つたない英語で「シンボルオブゴッドインジャパン、ゼアアーメニーメニーゴッズインジャパン」と説明したら、税関職員は即座に人差し指を天に向けて「No! One God!」と言い放ち、お守りを没収したそうです。歌詞を読みながらその話を思い出しました。
今日、私の息子が誕生日でして、この曲を選ばせていただきました。とてもおめでたい日なのです。この曲に深いメッセージを込めるつもりはありませんが、あえて言えばこの曲が示すように、彼には自分の生かされている運命・宿命というものに少しでも早く気づいていただいて、その運命に逆らうことなく「その道を生きてゆく」人生であってほしいと思います。はい、こんなこと言うといつも自分で自分に「オマエモナー」という気分になってしまうんです、はいm(__)m