菊池桃子 “SayYes!”
1988年、昭和63年の夏のことです。
午前6時40分、猛暑の朝をさらに暑苦しくするような寮監のがなり声が今日も響き渡りました。「起床ーーー!! 起床ーーー!!」、、、寮に住む学生たちは5分以内に屋外の駐車場に出て点呼の位置に集合し、整列をして体操をしなくてはなりません。一人でも遅れる学生がいれば、それなりのペナルティーが全員に連帯責任で課されます。学生たちはふと思います。今日のペナルティーはトイレ掃除だろうか? バービージャンプだろうか?、、、。
暗澹たる気持ちで布団を投げ出したとき、それまで寮で過ごしていて一度も聴いたことがないような声が、廊下のスピーカーから聴こえてきました。若い、か弱い、女性の声です。寮で会う女性といえば寮母さんか食堂のおばちゃんだけだったのに、寮監以外の声がスピーカーから流れることなんて絶対になかったのに、その日は何かが違っていました。いや、これは何かが違うどころじゃない! これからの寮の生活が革命的に良い方向に変わってゆくに違いない、、、そんな夢想さえ抱かせるくらいの美しい歌声! たった4分でも、確かに奇跡の歌声が、確かにそのとき、確かにあの男子寮に響き渡ったのです、、、。
私(23回生)が高校2年生で「起床音楽係」を担当したちょうど10年前の1988年のその日、柔道部に所属していたある高校3年生(12回生)の学生は、自分が大好きなアイドル・菊池桃子さんの名曲を、起床のアナウンスの後放送することを企画しました。その後1週間以上同じ曲を放送したそうです。さすがに飽きたのでしょうか? その後しばらく持ち寄りで様々な学生が起床音楽をチョイスして流すようになり、数年後には高校2年生が主に所属する寮の運営委員会「青山会」の一員として「起床音楽係」が設置されるようになりました。
そう、この曲は、「起床音楽」のルーツとなる曲なのです。
今日のお話は同窓会などで先輩方から聴取させていただいたお話をもとに書きましたが、若干脚色していますm(__)m 間違っている部分や、より詳細がわかることがございましたら、ぜひご指摘いただければ幸いです。
おかげさまで、私が個人的作業として取り組んできたこのブログの「起床音楽」は、本日1周年を迎えました。いつもSNSで「いいね」をくださった皆様、直接応援のお声かけをくださった皆様、そして温かく見守ってくれる家族に、心から、心から感謝を申し上げます。
これからも皆様に朝の一曲を勝手に、一方的に、お届けしてまいります! どうぞご愛顧のほどよろしくお願い申し上げますm(__)m