THE SQUARE “TAKARAJIMA”
日本を代表するフュージョンバンド「ティー・スクェア(当時は「ザ・スクェア」)」のピアニスト、和泉宏隆さんが亡くなられました。今日は予定を変更して和泉さんが作曲した代表曲「宝島」にいたしました。1986年リリースのアルバム「S・P・O・R・T・S」に収録されました。昭和61年ですから「昭和の日」の選曲としても、「月末の前日は80s」の選曲としても良いですね。しかしそれだけではありません。この曲は私にとって非常に特別な「脳内ループ」の曲なのです。
私が幼稚園生の頃ですから、この曲がリリースされて間もないころです。当時通っていたピアノ教室のクリスマスコンサートで、それまであったこともない大人の人たちがサクソフォンなどの大きな楽器を持ち、間近でこの曲を演奏したのです。吹奏楽器の大音量に子どもながらに圧倒され、それから長くこの曲が私の脳内で繰り返し再生される「イヤーワーム」の曲となったのです。
インストゥルメンタルなので歌詞のヒントがありません。その曲の探索は難航しました。中学生になると時折スーパーなどで流れていたりしましたが、「この曲なんですか?」と尋ねて知っている店員には巡り合えませんでした。また、毎週日曜日になると当時の「大村競艇(今のボートレース大村)」の街宣車が時津町の寮近くを通っていましたが、その街宣車のBGMがあの「宝島」だったのです! 私は公衆電話で連絡を取り「あの曲は何ですか?」と尋ねましたが残念ながらそれでも分かりませんでした。
30年以上私を悩ませた「脳内ループ」が「宝島」であることが分かったのは今年2月のことです。昨年から興味を持って聴いていたフュージョンバンド「CASIOPEA」の関連でApple Musicが偶然この曲を引き当てました。初めて聴くときは郡山の雪道を車で走りながら、涙が止まらなくなりました。
私にとって重要で大切なこの「脳内ループ曲」はもう少し後に取っておきたかった気持ちもありましたが、作曲者の追悼として昭和の日の今日に捧げます。62歳、若すぎます、本当に若すぎますよね。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
(2022年5月1日)T-SQUAREの代表曲「Truth」の投稿にちなんで追記修正しました。本稿の投稿後、中高時代に吹奏楽部だった多くの知人の方から「吹奏楽では定番の曲で、自分も演奏したことがある」と聞きました。いやあ、剣道・演劇の僕は、分からなかったなあ、、、。吹奏楽の演奏にアレンジを行ったのは、多くのジャズソングをブラスバンドミュージックに昇華させた編曲家、真島俊夫さんなのだそうです。