島津亜矢 “帰らんちゃよか”
熊本地震の「前震」から6年となりました。震災の犠牲となられた方々に哀悼の意を表するとともに、被災された方々の一刻も早い復興をお祈り申し上げます。毎年この時期は熊本のご出身の歌手やバンドを取り上げておりまして、今年は「歌怪獣」としても話題の島津亜矢さんの代表曲のひとつを選ばせていただきました。
この曲には私も個人的に深い思い入れがあります。しばらく紅白歌合戦では落選が続いている島津さんですが、私はこのコロナの世の中だからこそこの曲を歌ってほしいという想いがあります。「コロナやけん、帰らんちゃよかとよ」、この歌が時代に合致する曲になるとは本当に思いもよりませんでした。島津さんは毎年新曲を発表され、精力的な活動を続けられております。今年末の紅白歌合戦ではぜひ出場し、(震災の前年に引き続き2度目となりますが)この曲を歌っていただきたいです。
また、この曲は島津さんの曲であるとともに、伝統の喜劇文化「肥後にわか」を主宰していた、九州を代表するローカルタレント、「ばってん荒川」さんの持ち歌でもありました。全国区のドラマなどにもよく出演し、ビートたけしをはじめとする多くの芸人さんに慕われていたそうです。2004年の学生時代、当時住んでいた近所の「時津カナリーホール」にばってんさんがいらっしゃることになり観に行きました。その時の演目は、肥後にわかの人情コメディーと歌謡ショーであった訳ですが、そこで私は初めて九州弁で歌う「帰らんちゃよか」を聴きました。強く印象に残りネットで調べた記憶があります。それからわずか2年後の2006年に他界、実は2004年当時もご体調の優れない中ステージに立たれていたそうです。
個人的な体験ですが、私は2016年のこの日の夜、佐賀県鳥栖市の自宅で湯船につかり、それが波打つ様子を見ながらこの世の終わりを感じました。震度4は二度と経験したくない体験と思いましたが、昨年2月に福島県郡山市で震度6弱に遭遇し、必ず生きているうちに三度目があると確信しました。日本で生きている限り、震災はまたやってきます。たとえ大げさでも日頃からの防災・安全に努めてゆきたいと考えます。