起床音楽4月21日1587曲目

Nat King Cole “Smile”

恩師の先生が亡くなられました。1928年生まれの西園昌久先生は、精神分析、力動精神医学の大家の先生でして、日本中の精神科医・心理学者の尊敬と信奉を集められた方です。医局員(大企業に置き換えて会長と新入社員くらいの関係)としてお目にかかる時はいつも、その矍鑠(かくしゃく)としたお姿に畏怖の念を抱きながらご高話を伺っておりました。私からお尋ねすることはいつも症例検討(患者さんの今後の治療について)の質問でして、私が興味を持つ音楽や映画のことなど、畏れ(おそれ)多くてとても質問できるものではなかったのです。

しかし、先生にもきっと、お好みの音楽があり、何度も観に行かれた映画があったに違いありません。先生にもあられたはずの「文化背景」、それは広義ではフロイトやコフートも含まれるのかもしれませんが、文化の一端である音楽などの芸能についても、きっと先生はお詳しかったのではないだろうか、、、。今日の起床音楽を考えるにあたって、私はそのことについて先生にお尋ねすることができる立場にあり何度もその機会がありながら、それをしなかったことを深く後悔しております。

お尋ねして聞いた訳ではございませんので、今日の起床音楽はあくまでも「先生はこの音楽がお好きであったに違いない」という私の想像で決めることになります。それもまた、畏れ多いです。さもなくば起床音楽を数日間休止しようかとも思いながら考えた結果、チャールズ・チャップリン(Charles Chaplin)にたどり着きました。

1936年公開の映画「モダンタイムス(Modern Times)」のテーマ曲としてチャップリン本人が作曲されました。1954年に歌詞が付き、「スマイル」という楽曲で米国のジャズピアニスト・歌手の「ナット・キング・コール」が歌ったのが最初のバージョンなのだそうです。その後現在までの70年近い間に世界中の名だたる歌手にカバーされてきた楽曲です。

私にとっては「恐れ多さ」の気持ちが重くのしかかってはございますが、この曲をもって先生への追悼とさせていただきます。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。

西園昌久 - Wikipedia
Smile : 洋楽歌詞和訳・ときどき邦楽英訳(意訳)
Smile (1936)the theme song for the movie "Modern Times” directed by Charles Chaplin. Covered by Nat king coleSmile thoug...
ナット・キング・コール - Wikipedia
スマイル (チャールズ・チャップリンの曲) - Wikipedia
モダン・タイムス - Wikipedia
チャールズ・チャップリン - Wikipedia
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